犬は人間の最良の友ですが、ときには大切な家具やインテリアを傷つけてしまいます。
そういう「おいた」をしないようにしつければいいのですが、なかなか大変ですから、場合によっては犬がなめたり噛んだりして、ソファがダメージを被ってしまうこともあります。
本記事では、犬がソファをなめる理由と、その対策について解説します。
目次
犬がソファをなめる理由
そもそも、なぜ犬はソファをなめたりするのでしょうか。その習性の秘密から解説してきましょう。
気になる匂いがするから
犬がソファをなめる理由の1つ目は「気になる匂いがするから」です。
人間には感知できないレベルですが、飼い主や家族が座ることいよって、犬にとって馴染み深い匂いがソファに染み込みます。
あるいは、ソファに座って飲食したりすると、その食べ物や飲み物の匂いがソファにつくこともあるでしょう。ときには小さな食べかすなどが落ちることもあるかもしれません。
犬は、それらの匂いが気になり、ソファをなめる行動をとることがあります。
犬は嗅覚に優れた動物です。人間がどれだけ気をつけて消臭したつもりでも、犬はソファに付着したかすかな匂いを見逃しません。
匂いに興味をもってなめてしまうのは仕方のないことでしょう。
落ち着くから
犬がソファをなめる理由の2つ目は「気分が落ち着くから」です。
眠る前にソファをなめる行動をとる犬は、気分が落ち着いている証拠かもしれません。
カーペットやソファのようなふわふわしたものをなめることによって、犬は自分が母犬のおっぱいを吸っていた子犬だった頃を思い出して安心する習性があります。
眠る前に安心できる気持ちになりたくて、ソファなどをなめているのでしょう。
もしくは、逆に、何か気分がすぐれないような出来事に遭遇したと可能性もあります。
いずれにしても、寝る前のタイミングでよくソファをなめるのなら、その犬は落ち着きたくてソファをなめている可能性が高いです。
これを無理に妨げると、犬がストレスを溜め込んでしまうことがありますから、あまり邪魔しないほうが良いでしょう。
退屈しているから
犬がソファをなめる理由の3つ目は「犬が退屈しているから」です。
犬種にもよりますが、犬は往々にして活発な性格をしています。とくに室内飼いしている犬は行動範囲を制限されて走り回ることができず、退屈してしまうことがあります。
日頃の散歩が大切なのはもちろんですが、悪天候のために散歩に行けないときや、散歩だけでは満足できないときもあるでしょう。
犬を飼う500人を対象に行った下記の調査では、71.8%の人が「定期的な散歩」によって犬のストレスが解消できると考えています。
参照:ペットの健康に関する調査|au損保
散歩が十分でないことから来る退屈を紛らわせるために、ソファなどの家具をなめている可能性があります。
散歩に行けない日など、犬が退屈する時間が長くなったときには、おもちゃを与えたり、一緒に遊んでやったりして、犬の退屈を紛らわせる対策を講じないと、ソファやほかの家具が犬のよだれまみれになってしまうかもしれません。
ストレスや体調不良があるから
犬がソファをなめる理由の4つ目は「犬にストレスや体調不良があるから」です。
犬も生き物ですから、何らかの原因でストレスをため込んだり、体調を崩してしまったりすることがあります。
人間ならそうしたことは言葉で訴えることもできますが、犬はそれができないのです。
ストレスを紛らわせようとしたり、体調が良くないことを紛らわせようとして、ソファをなめて気分を落ち着かせようとしている可能性があります。
食事が足りなかったり、いつもより遅れていたり、食事の栄養が足りていないために、ソファをなめてしまう行動に出ている可能性もあるでしょう。
いくら止めても犬がソファやほかの家具をなめる行動をやめないような場合は、健康状態に原因であることを疑ってみたほうがいいでしょう。
ほかにも犬の行動に気になる点があったら、早めに動物病院に連れていって診てもらうのをおすすめします。もし動物病院で診てもらって健康状態に問題がないことが確認できたら、それはそれで飼い主さんとして安心できますし、獣医さんにソファをなめる行動について相談してみる機会にもなります。きっと参考になるアドバイスをくれるはずです。
飼い主の気を引きたいから
犬がソファをなめる理由の5つ目は「犬が飼い主の気を引きたいから」です。
犬は感情が豊かで、飼い主にさまざまな気持ちをアピールしたいと思っています。
ソファをなめているのは、そのことで飼い主さんの気を引き、遊んでもらったり、かまってもらったり、あるいはお腹がすいていたりすることをアピールしようとしているのかもしれません。
しかし、それがなぜソファをなめるという行動になるかと思うかもしれません。
過去に犬がソファをなめているときに、注意したり叱ったりしたことはありませんか。
犬はそれをよく覚えていて、「ソファをなめると飼い主がかまってくれる」という原理として学習した可能性があります。飼い主の気を引きたいときはソファをなめる、という原理を継続して実行しているのです。
なめるのを止めさせようとしたことが逆にソファをなめる原因になってしまうという皮肉な例です。
とはいえ、犬の行動の意味は、さまざまな解釈をすることが可能であり、何が真実なのかということは見きわめられません。
ここまで述べてきたように、犬がソファをなめたいと考える理由はいくつもあるのです。
匠ソファからのアドバイス
犬の行動は、しつけの有無によって大きく変わります。
しつけによっては、犬にとってソファはなめるためのものになってしまうこともあります。
思い浮かぶことがあれば、それに基づいてしつけを考え直してみてください。
「ソファをなめる」以外の犬の困った行動
犬がソファに行う「おいた」はなめることだけではありません。場合によっては、なめるよりも大きなダメージを大切なソファに与えてしまうかもしれません。
犬のどんな行動に心配すべきかということを見ていきましょう。
穴掘り行動
ソファをなめる以外の犬の困った行動の1つ目は「穴掘り行動」です。
犬をお庭に放して飼っている方は、穴を掘って何かを埋めようとしている行動を目にしたことがあると思います。
それと同じことをソファに対して行うのですから、困ったものです。
実際には穴など掘れないのに、なぜソファで穴掘り行動をするのでしょうか。
いくつか理由が挙げられますが、まず、穴掘り行動は犬の本能でもあるだことを理解してください。
ソファを快適な状態に変えようとしている行動という場合もあれば、穴掘り行動によってソファから出てくる匂いが犬にとって何か心地よいものであるという場合もあるでしょう。
なめてしまう場合と同じように、飼い主の気を引くことが目的なのかもしれませんし、そこでリラックスしたいと思ってソファを掘ろうとしていることもあるでしょう。
専門家である獣医師も、犬の穴掘り行動には「本能」と「本能以外のもの」(飼い主の気を引きたい・ストレス・遊んでいる)があると指摘しています。
参考:【獣医師執筆】穴を掘る行動には意味があった!? 犬の「ここ掘れワンワン」に隠れた秘密
犬の大きさにもよりますが、ソファを穴掘りされてしまうと、カバーが傷ついてしまいます。できるだけソファの上で穴掘り行動をしないようにしつけましょう。
ソファの下に潜り込む
ソファをなめる以外の犬の困った行動の2つ目は「ソファの下に潜り込む」という行動です。
これも犬の大きさによりますが、とくに小型犬の場合、ソファの下に簡単に潜り込むことができるでしょう。
わざわざ狭いソファの下になぜ潜り込もうとするのでしょうか。
これもいくつか理由が考えられますが、そもそも犬はソファの下のような狭い空間が大好きです。
飼い主さんにかまってほしくてソファの下に潜り込む犬もいます。
ソファの下に隠れているときに、飼い主さんが自分を探したり呼んだりしたことを覚えていて、同じようにかまってもらいたいという気持ちから、ソファの下に隠れていることがあるのです。
逆に、かまってほしくないときにも、ソファの下に隠れている可能性があります。
雷や花火などの大きな音や、地震などに驚き、身を隠そうとしてソファの下に潜り込んでいたり、何か「悪いこと」をして、叱られたくないから隠れているのかもしれません。
もし、隠れている犬を呼んでも反応が鈍い場合には、体調不良を起こしている可能性もあります。犬の健康状態をチェックして、気になる場合には動物病院で診てもらってください。
ソファを噛む
ソファをなめる以外の犬の困った行動の3つ目は「ソファを噛む」ことです。
犬に留守番させていると、不安な気持ちからソファなどの家具を噛んでしまい、不安を紛らわせようとする犬もいます。
番犬にしたりするのだから、犬に留守番させることは問題ないと思ってしまいがちですが、そもそも犬は群れで生活するタイプの動物です。一人でいることに慣れておらず、飼い主が留守にしている状態がストレスになってしまうこともあるのです。
留守番をしていても、気に入っているおもちゃを置いておけばそれで遊んで時間を潰すこともあります。そういうおもちゃが見当たらなかったり、おもちゃに飽きてしまったりすると、ソファなど家の中にある家具を噛んでしまう可能性が高まります。
また、子犬の場合、歯が生え変わるタイミングには歯がむずむずするので、噛んで気を紛らわせることもあります
いずれにしても、犬にソファを噛まれてしまうとボロボロになってしまいますので、噛み癖が習慣化しないようにしっかりしつけることが重要です。
匠ソファからのアドバイス
犬の行動を制限しすぎると、それがストレスになり、ソファなどの家具に対して何らかの行動をしてしまう可能性もあります。
散歩や遊んであげるなどの行動で犬のストレスを適度に解消してあげることが重要です。
犬にソファをなめられないようにする対策
穴掘り行動や噛む行動に比べると、ソファをなめられることはそこまで大きなダメージになりません。
とはいえ、ソファがよだれまみれにされてしまうのを黙って見ているわけにもいきません。 犬にソファをなめられないようにする対策には、どんなものがあるでしょうか。
こまめにソファを手入れする
犬にソファをなめられないようにする対策の1つ目は「こまめにソファを手入れする」ことです。
食べ物や飲み物といった匂いのあるものをソファの上に落としてしまうと、それを掃除したつもりでも、嗅覚の鋭い犬はその残り香を嗅ぎ分けます。
手入れの行き届いていないソファの場合だとなおさらで、犬が気になる匂いが集まっている存在になるので、おもわずなめたくなってしまうかもしれません。
そのようなことにならないように、こまめにソファを手入れし、できればペットがなめても大丈夫な消臭剤を使用して、犬がなめたくなるような状態にしないようにしてください。
こまめにソファを手入れすることは、ソファを長持ちさせ、長く快適に使い続けられるようにするということにも通じます。お気に入りのソファならなおのこと、日々のお手入れと、月に何回かは本格的なお手入れをしてソファの状態を良好に保ちましょう。
飲食物を落とした場合はすぐに入念な手入れをする
犬にソファをなめられないようにする対策の2つ目は「飲食物を落とした場合はすぐに入念な手入れをする」ことです。
上にも書きましたが、犬は食べ物や飲み物の匂いに敏感です。飼い主がソファに落とした飲食物の匂いは、原因を取り除いたつもりでも、犬にとっては強く臭います。
その匂いがなめるという行動を起こさせる原因になるので、ソファの上に食べ物や飲み物を落としてしまったら入念にお手入れをしなければなりません。
日頃からソファの上に食べ物を落とさないようにするのは当然ですが、小さなお子さんがいたり、ソファに座って食事をすることが日常的に多かったりすると、食べ物を落とすリスクはゼロにできないでしょう。
そうした場合は、消臭剤をいつでも使える場所に保管しておき、ソファに飲食物で汚れてしまったら手早く清掃してください。
犬とたくさん遊んであげる
犬にソファをなめられないようにする対策の3つ目は「犬とたくさん遊んであげる」ことです。
先ほども説明したように、犬は退屈になったりストレスを溜め込んでいたりすると、ソファをなめる可能性があります。
室内飼いしている犬は運動不足になりがちなので、ストレスがたまってしまいやすいかもしれません。
頻繁にソファやほかの家具をなめるような行動が見られた場合には、思いっきり遊んであげ、ストレスを解消することが何よりの対策と言えるでしょう。
この対策によって、ソファをなめるリスクを抑えるだけでなく、犬の運動不足を解消し、心身の健康を維持することにもなります。仕事や家事などで忙しい方も、できるだけ犬のために時間を割き、犬が満足するまで遊んであげてください。
同じ時間になめる場合はその前に遊んであげる
犬にソファをなめられないようにする対策の4つ目は「同じ時間になめる場合はその前に遊んであげる」ことです。
同じ時間帯に集中してソファをなめているような場合は、犬にとってその時間帯が退屈と感じる時間なのかもしれません。
ということは、その時間になったら犬と遊んであげる習慣を取り入れることによって、犬が退屈だと感じるリスクを抑えることができるでしょう。
毎日の習慣にするだけで、最低限の手間で犬のストレスを発散ができかもしれません。
ソファをなめないようにおもちゃを与える
犬にソファをなめられないようにする対策の5つ目は「おもちゃを与える」ことです。
犬がソファに「おいた」をするのは、犬が気に入っているおもちゃが他にないからかもしれません。
犬が気に入るようなおもちゃを新しく買い与えれば、なめたり噛んだりする対象をソファからそのそのおもちゃに変えられるかもしれません。
お気に入りのおもちゃができれば、飼い主さんが留守にしている間もそれで遊べるようになり、ソファを守ることができるだけでなく、犬がストレスを感じるリスクを抑えることにもつながります。
犬のエサを見直してみる
犬にソファをなめられないようにする対策の6つ目は「エサを見直してみる」ことです。
ドッグフードの栄養バランスが悪く、栄養不足に陥ったために犬がソファをなめてしまう可能性がありますので、与えるフードの種類や量、おやつなどを見直し、犬が栄養不足状態にならないようにコントロールしてあげましょう。
犬のお腹を触ってみて、「すぐに骨に突き当たる」「腰がくびれている」「肋骨が浮いて見える」といった状態であれば、飼い犬の栄養が足りていないのかもしれません。
ドッグフードを基準量を超えて与えているつもりでも栄養不足になることはあります。量を多くしたり栄養価の高いものに交換したり、それでも足りない場合は栄養価の高いおやつで補ったりして、犬の健康状態を維持してあげてください。
犬が体調不良になっていないかチェックする
犬にソファをなめられないようにする対策の7つ目は「体調不良になっていないかチェックする」ことです。
病気が理由でソファをなめているなら、それをやめさせる方法は、良好な状態に戻してあげることです。
一時的な軽度の体調不良は、食事量が十分なら自然に治ることもありますが、場合によっては病状が進行してしまうこともあります。
犬の様子を念入りにチェックし、必要に応じて早めに動物病院で診てもらってください。
匠ソファからのアドバイス
どの対策が効果的かということは、犬の健康状態や飼育環境によっても変わります。
まず犬が置かれている状態を把握して、いくつかの対策を試してみましょう。
犬対策になるソファの選び方
前項で説明した対策では十分な効果がなかったら、ソファそのものに対策を施したほうが早いかもしれません。
生地は機能性ファブリックがおすすめ
犬がソファをなめてしまう問題に対する有効な対策のひとつが「生地選び」です。
犬はなめる以外にも穴掘り行動などによってソファを傷つけることもあるので、頑丈な生地を使用することがポイントです。
評価は分かれますが、私たち匠ソファでは、ペット対策になる生地として「機能性ファブリック」をおすすめします。
引っ掻きに対する強さを測定する「スナッグ試験」というものがあります。
スナッグ試験(JIS L 1058)|一般財団法人カケンテストセンター
この試験で高強度を結果を出した生地や、お手入れしやすい機能を付加している生地もあります。犬になめられたり引っかかれたりしても大きな問題にはならないでしょう。
なめなくても落ち着ける生地もおすすめ
生地の選び方としては、ほかにも「犬が落ち着ける」ことがポイントになります。
犬は自分を落ち着かせようとしてソファをなめることがあります。なめなくてもソファの上に乗っているだけで落ち着ける質感や匂いの生地を選ぶということです。犬が気に入った生地なら、ソファをなめられるリスクを抑えられるでしょう。
この点については、次項で説明する「カバーリングソファ」に大きなメリットがあります。
生地だけに問題が生じるならカバーリングソファが効果的
ペット対策のソファ選びで、私たち匠ソファが特におすすめしたいのは、「カバーリングソファ」です。
カバーリングソファとは、持ち主が自分でソファー表面のカバーを交換できるタイプのソファです。仮にペットがカバーをボロボロにしてしまっても、自宅で簡単にカバーを交換でき、見た目の悪さを簡単に解消できます。
私たち匠ソファが取り扱っているソファはフルカバーリングにこだわっており、さまざまなタイプのカバーを試していただけます。
私たちがペットを飼っている方におすすめするソファについては、下記のページもごらんください。
匠ソファからのアドバイス
カバーがボロボロになってしまっても、カバーリングソファはカバーを取り換えるだけで済むから新品に交換できるという点も魅力。
それまでと毛色の違うカバーに交換して、ちょっとした模様替え気分も味わえるでしょう。
【まとめ】飼い犬対策をしっかりとして大切なソファを守ろう
ソファなどさまざまな家具は、犬が「おいた」をする対象になりがちです。大切にしていても、ボロボロにされてしまうことがあります。
犬にソファをなめられたり噛まれたりして困っているなら、適切な対策を講じて大切なソファをしっかりと守とましょう。
人とペットが安心してくつろげるソファをお探しの方は、「感動する座り心地」と「洗練されたデザイン」を両立したソファや各種家具類を多数取り扱っている匠ソファまで、ぜひお問い合わせくださいませ。