愛用している本革ソファはいつまでも使いつづけたいものですよね。
本革ソファは耐久性が高く、経年による風合いを楽しめますが、それでも使いつづけていれば、いつかは寿命が来ます。
本記事では、本革ソファの寿命がどれくらいなのか、その寿命を少しでも延ばすにはどうすればいいかということを解説します。
目次
本革ソファの耐用年数
本革ソファは耐久性が高い素材であるとされています。それでも素材が天然のものである以上、永久に使い続けることはできません。
実際、本革ソファはどのくらい長く使い続けることができるでしょうか。
一般的には10年程度
そもそも「ソファの寿命」というのは何を基準とするのか。、それによって評価は異なりますが、一般的には本革ソファの寿命は10年ほどであるとされています。
たとえばソファのフレームが折れてしまい修復できなくなったり、クッションや充填材が劣化して座面や背もたれが沈んで形が崩れてしまったり、革や生地が摩耗したり、ひび割れや色褪せが顕著になって外観が劣化したり、クリーニングしてもいやな臭いや汚れが取れなかったり、という状況になると、そのソファは寿命を迎えつつあると言えるでしょう。
本革を使用しているソファのカバー部分そのものは、他素材と比較して耐久性が高い傾向にあるので、たとえばペットを飼っているご家庭であればペットの噛みつきや爪とぎなどに強いことで重宝されます。
しかし、本革は天然の素材の一種ですから、いずれは劣化してしまいますし、クッション素材など内部構造もいずれは劣化してしまいますので、永久に使用し続けることは難しいです。
耐久性に優れている本革ソファと言えども、いずれは劣化して使用感が悪くなってしまいます。
ただし、本革ソファの耐用年数である10年という数値は、あくまでも目安でしかありません。
使い方次第ではさらに何十年も使い続けることができるかもしれませんし、逆に使い方によっては10年も経たないうちに使い続けることができなくなってしまうこともあるでしょう。
本革ソファは合皮ソファやファブリックソファのように求めやすい金額のものではないので、せっかく買ったのなら少しでも長く使い続けたいと思うはずです。
本革ソファを大切に使い続けたいなら、いかに本革ソファを長持ちさせられるような使い方を心がけられるかということが重要です。ぜひ、本記事後半で解説するテクニックを駆使し、本革ソファを長持ちさせてください。
きちんとメンテナンスすれば寿命は延びる
ソファに限った話ではありませんが、家具というものは使い方やメンテナンスの頻度次第では、一般的に言われる耐用年数を上回るような長い期間、使い続けることができます。
ご家庭にもよりますが、普通、ソファは毎日のように使用する、生活に直結する家具です。
普段使いする家具であり、使用頻度が高いと言えるので、使い方によって耐久性に影響が強く表れる傾向は他の家具より高いでしょう。使い方を工夫することには意味があります。
逆に言えば、大切に使って、適切なタイミングでのメンテナンスをしっかりと行いつづければ、一般的に言われる年数以上に本革ソファを使い続けられる可能性があるということです。
本革ソファの耐用年数に影響するのは次のような要素です。
その本革ソファ自体の品質
ソファに使用されている革の質、フレームの材質、製造品質などが耐用年数に大きな影響を与えます。高品質な素材と製法が採用されていればより長寿命になります。
使用頻度
そのソファが頻繁に使用されるほど、座面やクッションにかかる負荷が大きくなり、劣化が進みやすくなります。毎日使用していたり、使用者が極端に多い場合、寿命が短くなる可能性があります。
メンテナンス
ソファの定期的なクリーニングや革の保湿、適切なコンディショナーの使用など、適切なメンテナンスが行われているかどうかで、そのソファの寿命は延びます。メンテナンスが不足すると劣化が早まります。
環境条件
そのソファが置かれている環境も寿命に影響します。設置している部屋の湿度や温度の変化、直射日光が当たるかどうかといったことが革に影響を与え、寿命を左右します。
そのソファの扱い方
ソファを適切に取り扱っていない場合、たとえば無理な力や雑な使い方をしていると、劣化を早めることがあります。例えば、飛び跳ねたり、物を投げたりすることは避けるべきです。
もちろん、どんなに丁寧に使っていても、いつかは寿命を認めざるを得ないほど劣化してしまう日は来るでしょう。しかしそれまでの年数を少しでも長く延ばすことは不可能ではないのです。
昨今はSDGsが重視されており、物を大切に使うことが求められる時代です。そう考えれば本革ソファを大切に使い続けること、大切なソファを愛用し続けるためにソファを長持ちさせるテクニックを知ることは重要なことと言えるでしょう。
本革ソファは長持ちすると雰囲気が良くなる
本革ソファを長く愛用し続けると得られるメリットは、「経年変化」です。
普通の素材なら時間の経過にともなって経年「劣化」の変化が起こるのですが、本革の場合はそうではありません。革の質感や風合いが向上し、独特な味わいが生まれます。
使用するうちに表面に微細な傷やしわを「パティナ」と言いますが、独特な味わいや深みを加え、使い込まれた印象を与えます。シワの配置や形状は個々の革によって異なります。
また時間とともに色合いが変化して色褪せたり、深みを増したり独自の魅力的な外観が生まれます。
さらに使い込むことで柔軟性も増し、革が馴染んで手触りが良くなります。
これらの経年変化が本革ソファにユニークで温かみのある外観と質感をもたらします。
適切なメンテナンスを行っていれば、本革はその品質を落とすリスクは少なく、むしろ見た目に味わいが深まっていき、一緒に過ごしてきたソファに深い味わいが生じるようになるのです。
本革ソファの経年変化は経過した年数に応じて深い味わいが生じますので、長く愛用し続けるほどにその深みは増していきます。
使い方によっては10年未満で使い勝手が悪くなる
先ほども述べたように、ソファは使い方によっては一般的な耐用年数である10年を待たずして使い勝手が著しく悪くなってしまうこともあります。
本革は加工してこそいますが、天然の素材ですから、環境の影響を強く受けます。
直射日光や湿度の影響を受けやすいので、ソファを設置している場所によっては通常よりも劣化のスピードが早まることもあります。
劣化してしまった革素材を補修するクリームや補修剤もホームセンターなどで買うことはできますが、素人が補修できる範囲にはやはり限度があります。
何度も補修を繰り返すことによって、アラが目立ってきたり、使い心地が悪くなることも避けられません。
少しでも長く本革ソファを愛用し続けたいのなら、本革ソファが劣化するような使い方を避けて、少しでも長持ちするような使い方を心がけましょう。
匠ソファからのアドバイス
本革は牛や馬などの皮を加工した素材であるため、合皮や布系のソファと比べて量産性が乏しく、高額になります。メリットも多い素材ではありますが、その点を考慮してソファの選定をしましょう。
本革ソファを長持ちさせるテクニック
本革ソファは長く愛用し続けることで味わいを得られます。その経年変化を楽しみながら長く愛用し続けたいと思う方が多いでしょう。
そこで、本革ソファを長持ちさせるテクニックについて解説します。
日々のお手入れ方法
日常的に行うお手入れは、乾拭きだけで十分です。
乾拭きするにあたっては、柔らかいコットン100%の布を用意することをおすすめします。
本革ソファを乾拭きする目的は、表面の細かいゴミやほこりを取り除き、余分な水分を吸収することにあります。
表面がきれいになるだけでなく、シミやカビの発生を防いで本革の劣化を防ぐことができます。
なお、柔らかい布を使用する場合であっても、強くこすりすぎてしまうと革が傷んでしまう可能性がありますので、やさしく表面を拭き取るようにしてください。
定期的な本格的メンテナンス
月に1~2回の頻度で、本格的なお手入れを実施しましょう。
具体的には、まず先端にブラシのアタッチメントを取り付けた掃除機で、ソファ表面のゴミを吸い取ります。
次に、柔らかい布を湿らせてソファの表面を拭き取ってから、乾いたタオルで乾拭きしましょう。
ここまでで終わっても良いのですが、より本格的なお手入れ方法としては、革専用のお手入れグッズを使用する方法があります。
上の工程の後に、布に革専用クリーナーを含ませ、円を描くようにソファの汚れを拭き取ります。
次に、革保護用クリームを、ソファの革に染み込ませるように塗り込みましょう。
最後に、余分なクリームを拭き取るようにして乾拭きすれば完了です。
本革用のお手入れグッズはホームセンターや家具屋で販売されており、本革性ソファ用のお手入れグッズが揃っているパッケージ商品もありますので、そちらを購入するのも良いでしょう。
革に適していないクリーナーやコンディショナーを使用すると、本革の劣化を早めてしまうことがあります。必ずメーカーが推奨する製品を使用するようにしましょう。
革クリーナーについて
本革ソファをメンテナンスするためには、適切な革クリーナーを使用しましょう。革クリーナーは革の汚れを取り除き、保湿効果を与えます。
pHバランス
革のpHに配慮した革クリーナーを選びましょう。中性のpHバランスのクリーナーが良く、酸性やアルカリ性のクリーナーは、革を傷つける可能性があります。
革のタイプに合った選択
アニリン、セミアニリン、ピッグメントなど革のタイプに応じたクリーナーを選びましょう。本革ソファのラベルを確認するか、メーカーに問い合わせてください。
クリーニングの前にテストする
最初にソファの目立たない部分でクリーナーを試してみてください。革の反応を確認し、色落ちや変色が起こらないか確かめます。
クリーニングの手順
- ① まず、柔らかいブラシやクリーニングクロスを使って表面のほこりや汚れを軽く取り扱います。
- ② 革クリーナーをクリーニングクロスに適量取り、ソファの革部分に均等に塗布します。クリーナーを革に馴染ませ、こするようにして汚れを取ります。
- ③ クリーニング後は、革が自然に乾燥するのを待ちます。急いで乾かすために熱を使うと革が乾燥しすぎる可能性があるため、直射日光や暖房器具から遠ざけることが重要です。
- ④ クリーニング後に革の保湿を行います。革専用のコンディショナーや保湿剤を使用して、革に潤いを与えます。
定期的なメンテナンス
汚れが目立つときだけでなく、汚れがたまりすぎないように、定期的にクリーニングを行ってください。
ソファを雑に扱わない
本革ソファを長持ちさせるためには、日常的なお手入れを欠かさないだけでなく、普段から雑に扱わないことが重要です。
小さな子どものいるご家庭では、よくソファの上で飛び跳ねてはしゃいでいたりする光景を目にします。あれはソファに大きなダメージを与えてしまいます。
カバーの素材が傷むだけでなく、クッション材にも負担がかかりますので、座り心地が一気に劣化する可能性があるのです。
お子さんにソファの上で遊ばないように日頃から注意しておくことは、非常に重要です。
また、尖った物や重い物をソファに置くことで、革に傷や圧力がかかり、劣化を早める可能性があります。注意深く取り扱いましょう。
カバーリングソファを購入する
本革表面の傷みだけなら、初めから「カバーリングソファ」を購入していれば恐れることはありません。
「カバーリングソファ」とは、ソファの本体に取り外し可能なカバーが付いているタイプのソファです。ファブリックのカバーは外して洗濯することもできます。カバーリングソファは、手軽にソファを清潔に保つことができ、季節やインテリアの変化に合わせてカバーを交換できるので、大変人気があります。
カバーリングソファで取り外せるのは、ソファのクッションや背もたれ、アームレストのカバーです。
ファブリックのカバーの場合、こぼれた飲み物や食べ物、ペットの毛などがついても手軽に清掃できます。メンテナンスが簡単であるため、長く美しい状態を保つことができます。
季節やインテリアの変更に合わせてカバーを交換することで、ソファの雰囲気を簡単に変えられます。異なるデザインや色のカバーを用意しておけば、いつでも新鮮な印象を楽しむことができます。
カバーリングソファは様々なデザインや色のカバーが用意されていますので、好みやインテリアに合わせてソファをカスタマイズできます。
ソファ全体を買い替えずに済み、新しいカバーを購入するだけなので経済的にインテリアを変えられます。
ペットを飼っているご家庭であれば、犬や猫が噛んだりひっかいたりすることでソファが傷ついてしまい、頭を抱えることもあるかもしれません。そんなボロボロの見た目になってしまったソファも、カバーリングソファなら簡単に元通りの見た目にできるので、最小限の費用でソファを回復できます。
ただし、通常の本革ソファはほとんどのものが張り込み仕様となっており、本革が劣化したり、クッションが劣化すると、買い替えるしかなすすべがありません。
張り替えもできるのですが、とてもお金がかかるので、あまり依頼される方は少ないようです。
私たち匠ソファのソファは本革でもすべてフルカバーリング仕様であるため、新たにカバーを着せ替えていただくことができます。
匠ソファからのアドバイス
私たち匠ソファの取り扱っているソファは、すべてフルカバーリングソファです。
カバーのバリエーションも豊富に用意しておりますので、さまざまなカバーでソファの見た目を楽しむことができます。
ソファを買い換えるとき
最後に、ソファを買い換えるタイミングについて解説します。
素材の劣化や故障
日本国内にはソファの修理を請け負っている業者や、ソファの修理を受け付けているメーカーもありますので、そういったところで修理して同じソファを使い続けることもできますが、それにもやはり限界はあります。
カバーやクッション材を交換すれば新品のような使い心地を取り戻すこともできますが、構造部分が劣化して破損していた場合は、大がかりな修繕が必要なので、仮に修理できたとしても新しいものを買ったほうが安いということも珍しくありません。
表面の劣化なら、初めからカバーを自宅で交換できるカバーリングソファを買っておけば問題ありませんが、ソファを修理に出すべきかどうかはソファの状態に合わせて検討するべきでしょう。
座り心地の変化
座り心地が悪くなってしまったソファは、買い替えを検討するべきかもしれません。
座り心地はソファ内部のクッション材やコイルの劣化によるものが原因となりますので、これらを交換することで座り心地を回復できることもあります。
クッション材やコイルが劣化しているような場合は、構造部分にまで劣化が及んでいる可能性があります。
そうなると大がかりな修繕が必要になりますので、業者に依頼すると修理費用が高額になってしまいます。
ソファはくつろぐための家具です。座り心地の良さがあってこそのものですから、より座り心地の良いソファに買い替えることも検討し、修理するか処分するかを決めましょう。
本革ソファの張り替えは現実的?
ソファが劣化してしまったり、傷んでしまった場合、張り替えは、ソファの外側の革の部分を新しい革で取り替える作業をすることが考えられます。インテリアの変更などで外観をリフレッシュしたい場合にも行われます。
本革ソファの張り替えは専門的な技術と経験が必要なので、プロの職人や張り替え業者に依頼しないと行えません。
まず張り替えを行うソファを業者に見てもらい、ソファの状態を診断してもらいます。その上で、どれくらいの費用がかかるかを見積もってもらうことになります。
張り替える際には、新しい革を選ぶことになりますが、革は種類や質感が異なるため、好みや予算に合わせて選びます。
張り替える際に元のソファとは異なるデザインや色、スタイルの革を選ぶこともできます。
また張り替えの際に、必要に応じてソファの構造的な修理や補強も行うこともできます。たとえばフレームやバネなどが損傷している場合には、修復作業も同時に行うことになるでしょう。
本革ソファの張り替えは、新品同様の外観を取り戻すだけでなく、ソファの寿命を延ばす重要な手段ですが、手間がかかるため費用もかなり高額になり、新しくソファを買い換えたほうが現実的なことが多いので、慎重に決める必要があります。
【まとめ】適切なメンテナンスで本革ソファを長く愛用しよう
本革ソファは長く愛用しつづけることで深い味わいの経年変化を楽しめますが、使い方によっては変化ではなく「劣化」してしまうこともあります。
少しでも長く本革ソファを使いつづけたいのなら、日々のメンテナンスを欠かすことなく、大切にソファを使い続けてください。
満足度の高いソファをお探しの方は、「感動する座り心地」と「洗練されたデザイン」を両立したソファや各種家具類を多数取り扱っている匠ソファまで、ぜひお問い合わせくださいませ。