今では室内で犬を飼う人が普通になりました。
可愛いパートナーと生活を共にするのは楽しいですが、さまざまな家具や雑貨を噛まれてしまうこともあるでしょう。
ソファは犬がターゲットにしやすい家具です。
犬がソファを噛んで破れてしまい、修繕が必要になるケースもよく聞きます。
本記事では、犬が噛んでも破れないソファの選び方について解説します。
目次
室内で犬を飼うのが普通になった理由
私たちに癒しや元気を与えてくれる犬たちは、家族の一員、人生のパートナーなどさまざまなたとえ方をされるようになりました。
昔は犬と言えば「番犬」で、家や家族を守る役割を担っていました。
室内飼いするのが主流になった理由のひとつは、日本人のライフスタイルの変化にあります。
一人暮らしの人増え、集合住宅が増えたことから、大家族でもマンションやアパートで暮らす人が多く、戸建てでも昔に比べれば小さい建物がほとんどです。
ペット可のマンションやアパートが増えるとともに、人気の犬種もゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバー、チャウチャウから、プードル、チワワ、ダックスフンドなど一人暮らしの人でも飼いやすい小型犬種に変わりました。ペット市場はうなぎ登りで、子どもの数をペットの数が上回るほどです。
今、庭で走り回っている犬の姿を見かけることはなくなりました。人間と共に暮らす「家族」と犬を認識するようになったため、室内で犬を飼うことが主流となったのです。
犬がソファに与えるダメージ
室内で飼うようになった犬が、ソファにダメージを与えることは珍しくありません。
まず、ソファがどのような被害を受けがちなのかをまとめてみました。
傷がつく
1つ目は「ソファに傷がつく」というダメージです。
すでに飼っている方はよくご存じだと思いますが、犬や猫は家中のあちこちで穴掘り行動をしたり爪とぎをしたりします。
猫の場合は、爪とぎを用意してあげることで矛先をそちらに向けることもできますが、それでも、してほしくない場所で爪とぎしてしまうことを100%防ぐことはできません。
本能的な習性なので仕方ありませんが、ソファに飛び乗って穴掘り行動や爪とぎをされたソファは、無残に傷ついてしまうでしょう。
ただ上で遊んでいて、何らかの拍子で爪が引っかかってソファを傷つけてしまうことも珍しくありません。
噛み癖のある犬の場合は、ソファの脚を噛んだりします。木製の脚で爪とぎをする猫もいます。
生地が破れる
2つ目は「ソファの生地が破れる」というダメージです。
上記したように、ソファの上で何か悪さをしても表面に傷をつけるだけならまだいいのですが、長時間これをやられると、最終的には生地が破れて、中のクッション材が露出してしまうことも珍しくありません。さらに、クッション材を引っ張り出して遊んでしまう子もいます。
ここまで来ると、もはや素人には修理できないレベルで、業者に修理に出すか、状態がひどければ買い替えたほうが早いというケースもあります。
よくあるのは、飼い主が仕事に行っているなど長時間留守にしていて、その隙に暇をもてあましてソファで悪さをするケースです。しつけをしていなかったり、何かストレスを抱えていたりする犬がソファを破って、中のクッション材を全部引っ張り出してしまう動画を見た人も多いのではないでしょうか。
表面の傷ぐらいならDIYで補修することもできるので、経済的な被害もそこまで大きくありませんが、生地を破られたり中のクッション材を引っ張り出されたりしたら、リカバリーにかかるコストは何倍にも跳ね上がるでしょう。
汚れる
3つ目は「ソファが汚れる」というダメージです。
犬がソファを汚してしまうケースもよく見られるものです。
よくあるのは、ソファの上に乗って粗相をしてしまうことです。
トイレのしつけが終わっていない犬なら珍しくありません。トイレのしつけが終わるまではソファに近づけないようにするといった工夫をしないと、防ぐことは難しいでしょう。
それ以外でソファを汚す原因となるのは、ソファの上でごはんやおやつを食べる行為です。
飼い主からもらったごはんやおやつをわざわざソファに持っていき、そこで食べこぼすために汚れやシミを残してしまうのです。
また犬も猫も、突然嘔吐することがあります。
さらに、噛み癖のある犬がしつこくソファを噛み続けるために、傷がつくだけでなくよだれでシミになることもあります。
こうした汚れやシミは、原因となっている排泄物や食べかすなどを速やかに撤去して、然るべき対処をすれば被害を最小限に抑えられます。ただし飼い主が気づかないうちに汚されてしまうと、汚れやシミは落としにくくなってしまいます。
また、ソファの同じ場所に陣取る犬もいます。人間以上に定位置が決まっているため、一日の大半をその場所で過ごすという場合もあるでしょう。そのため、ソファのクッション材がその場所に偏ってしまうこともあるかもしれません。
匠ソファからのアドバイス
この記事では主に犬を想定していますが、犬や猫以外のペットを飼っている家もあると思います。
動物の種類ごとに習性は異なりますので、ペットによっては意外な行動によってソファがダメージを受けるケースがあります。
犬などのペット対策の基本
ソファにダメージを与える数々の行動は、犬の本能的な習性だと書きました。
もう少し犬の習性にもとづいて対策を考えてみましょう。
そもそもなぜソファを噛むのか
犬はそもそもなぜソファを噛んでしまうのでしょうか。次のような理由が挙げられます。
歯がかゆいから
とくに子犬の場合、生後4~6カ月頃に乳歯から永久歯へ生え変わるため、歯がムズムズするのか、硬いものを噛みたがります。
硬い木でできた机や椅子の足は、子犬にとっては噛みやすく、良いオモチャになるのです。噛む行為がエスカレートすると、人の手や足を噛んでくることもあります。
好奇心から
噛む行為は、犬の本能的な行動です。特に初めて見たものは噛んでみることで確認しようとします。たまたま目に入ったソファの足を噛んでみたら、噛み心地がよくそのままオモチャにしてしまっているのかもしれません。
子犬の頃は本能的な行動が多く見られます。犬によっては、大人になってから本能に目覚め、家具を噛む行為を行う犬もいるようです。
ストレスがたまっているから
犬はストレスが溜まるとものを噛んで壊す「破壊行動」を行うことがあります。ストレス発散行動は前触れなく起こります。体の不調がストレスとなることもあります。
暇だから
実際のところはこれが一番多いかもしれません。飼い主が構ってくれないとき、遊びたくても遊べないときに、遊びの代わりに暇つぶしとしてソファを噛んでいるのです。スリッパやクッションなどを噛むことも多いですね。
以上のような理由でソファを噛んでしまう犬たちを止めることは簡単ではありません。ましてや、どんな惨状を引き起こしたとしても、感情的になって大声で叱ったり体罰を与えたりするべきではありません。
では、具体的にどのような対策を講じればいいのでしょうか。
しつけを十分に行う
1つ目のアプローチは「しつけを十分に行う」ことです。
まずトイレのしつけについては、犬も猫もそれほど難しくありません。
どこでトイレを済ませれば良いかということを繰り返し言い聞かせれば、よほどのことがない限り、決められた場所以外で粗相をすることはないでしょう。
ソファの上での穴掘り行動や爪とぎなども、それをしたら叱られるということを理解すれば、やめてくれることが多いでしょう。
とはいえ限界はあります。
飼い主の気を引こうとして禁じられた行為を行う犬もいますし、何度言い聞かせても壁で爪とぎする猫もいるでしょう。
しつけによってソファが傷んでしまうリスクを完全にゼロにすることはできませんが、できる限りソファが傷つけられないようにするなら、まずはしつけを徹底することからです。
ストレスを発散させる
2つ目のアプローチは「ペットのストレスを発散させる」ことです。
前々項で解説したように、犬がソファに悪さをする原因の1つはストレスです。
適度にストレスを解消させればソファに対する悪さを止めることができるかもしれません。
まずは毎日の散歩が基本です。
犬は、散歩によって運動能力や体力を維持します。また外のにおいや音、風、気温などの刺激を感じることで、脳や神経を活性化します。散歩の間にほかの犬や人間と接することで社会性を身につけるという効果もあります。
散歩を十分にしてもらっていない犬は、次第にストレスを蓄積し、発散せざるを得なくなります。その矛先がソファに向かうのも時間の問題です。
もちろん、ストレスだけが原因とは限りません。単に遊んでいたり、飼い主の気を引くために悪さをする犬もよくいます。しかし、ストレスを抱えることは犬の健康のためにもよくありませんので、散歩は欠かさないようにして、きちんとストレスを発散させてあげてください。
匠ソファからのアドバイス
犬のしつけがうまくできない方は、プロのトレーナーに相談してみるのもいいでしょう。
正しいしつけを身につけさせたり、しつけるための方法を教えてくれたりしますので、悪さをするリスクが確実に抑えられるはずです。
犬が噛んでも破れないソファとは
前項で述べたしつけやストレス発散だけでは、完全にソファを守ることはできないかもしれません。 そこで発想を変えて、犬の側ではなく、ソファの側でできることを考えてみましょう。
カバーリングソファがおすすめ
ソファの表面は、布や革で作られたカバーで覆われています。
最初の項に書いた「ソファが傷つく」「ソファが汚れる」というダメージは、いずれもカバーが受けるものです。
このカバーを交換できるソファが、カバーリングソファです。
修繕が難しいレベルまでダメージを負っでも、最小限のコストだけできれいな表面に戻せます。
犬が噛んで致命的なダメージを与えてしまった場合、業者に本格的な修理を依頼すると、手間も費用もかさみます。
カバーリングソファならカバーを自分で交換するだけなので、かかる費用はカバーの購入費用だけです。
おすすめの生地の選び方
もう一つの対策の方向性は、犬が噛んでも破れないようなカバーを選ぶということです。
一般的なソファのカバーに使用されている素材は、大きく分けて「本革」「合成・人工皮革」「布」の3種類です。
革素材は一般的に布系素材より水分や汚れに強く、犬が噛んでも破れにくいでしょう。
最近では、「ラムース」や「ウルトラスエード」といった人工スエード生地もあります。遷移が緻密に織られていて手触りも柔らかく、見た目や質感も本物のスエードと遜色ないという意見もあります。丈夫で撥水加工もされているので、ペット対策になる生地として人気があります。
一方、本革ソファは高級品なので抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、かえって合皮などのソファを選ぶと、犬が噛んだ傷から表面のめくれがひろがり、みすぼらしくなってしまいます。本革なら傷ついてもその部分だけで済み、古傷も味わいになるのがメリットです。
布系の素材の中にも、撥水加工が施されていたり、傷に強い仕組みになっているものもあります。
最近では犬の耐噛み性能を高めた素材などもありますが、あまりに硬い素材だと、逆に犬の歯を傷めてしまう可能性もあります。犬の歯は実はそんなに強いものではないので、そのあたりも考慮してあげましょう。
脚は金属製がおすすめ
ソファの脚をガジガジとかじる犬は子犬などでは珍しくありません。
木製の脚は傷ついてしまう可能性が高く、見た目が悪くなります。
そこで金属製の脚のソファを選べば、犬が噛んだ程度では傷つくことはないので、対策としてはおすすめです。
木製の脚の場合でも、取り外してソファを直置きできるなら取り外しておくと良いでしょう。
下の隙間は狭いほうがおすすめ
ソファは、足の高さの分だけ座面下の部分に空間ができます。
この隙間は、犬にとって絶好の隠れ場所です。
入り込むだけなら良いのですが、中で仰向けになり、ソファの底面をバリバリとひっかくという悪さをされることがあります。
そうしたリスクを抑えるためには、犬が入り込めないほど狭い隙間しかできないようなソファを選ぶか、もしくは脚を取り外して直置きするしかありません。
座面は高いほうがおすすめ
犬がソファで悪さをするのは主にソファの上です。
小型犬の場合は、ソファに登れないような座面の高いソファを選ぶことによって、ダメージを与える行動を制限できるかもしれません。
とはいえ、犬や猫にはジャンプ力があります。1回のジャンプでは登れなくても、別の場所からアプローチしてくる可能性もあります。
小型犬が飛び乗り損ねて脚をケガしたり骨折したりする可能性もありますので、犬にとっては優しくないアプローチになるかもしれません。
逆に、ペット用のステップやスロープをソファの近くに置くことで、座面の高いソファから飛び降りてケガをすることを防ぐグッズもあります。
生地は色選びも重要
生地選びについてもう1点、ペット対策に生地を選ぶにあたっては「色」も実は重要な要素になるのです。
革系の素材なら、できるだけ濃い目の色合いのカバーがおすすめです。
色が濃ければその分、汚れやシミが目立ちにくくなり、補修もしやすくなるからです。
また、革系素材はペットの抜け毛が絡みにくいのがメリットですが、布系素材はペットの毛が絡みやすいので、絡まった毛の色が目立たないようにするために、犬の毛色と同じ色合いのカバーを選ぶのがおすすめです。
実際は、犬と生活してみて、汚れなどがどのような見た目で影響を及ぼすのかを確認しましょう。カバーリングソファなら、どんな色のカバーに取り換えれば汚れが目立たなくなるのかということを判断してから交換するカバーを選びましょう。
匠ソファからのアドバイス
犬が噛んでも破れないソファを選ぶためには、販売店のスタッフの意見も聞いてみましょう。
スタッフはさまざまなお客さんの相談に乗っていますから、そんな場合に選ぶべきソファについて良い意見を持っているかもしれません。
犬とソファの相性
最後に、犬とソファの相性について解説します。
犬にとってはソファも遊び道具の1つ?
犬は、ソファのことを「遊び道具」と思っている可能性があります。認識しているのかもしれません。
自分よりも人間よりも大きく、上に乗ればふわふわで快適、そんな抱擁感のあるソファの上でくつろぎたいし、ちょっと爪とぎしたいと考えたりもするでしょう。
噛んでいるうちに縫い目がほつれて形が変わり、破れて中からクッション材が出てきたら、「なんておもしろいオモチャなんだ!」と興奮してしまうのも無理ないかもしれません。
しつけをして、「ここで遊んではいけないんだ」と覚えさせることもできるかもしれません。ただ、人語を完全に理解することはできないので、しつけにも限界があります。
そのことをしっかりと考慮したうえで犬と向き合い、どうすればソファへの悪影響を最小限に抑えられるかを考えましょう。
交換できる部分は傷んでも交換で古臭さはなくなる
これからソファを購入したり、犬をお迎えしたりしようとしている人は、本記事を読んで、「犬が噛むのを完全に防ぐことはできないから、ソファは諦めたほうが良いかも」と思ってしまうかもしれません。
しかし、犬がソファを傷つける可能性があるからといって、ソファと犬の共存を諦める必要はないと思います。
確かに、犬に傷つけられたソファは見た目が悪くなるかもしれません。
しかし、よほどの場合でない限り、噛まれた部分だけ交換したり、修理することで問題は解決できます。
もちろん犬をきちんとしつけることをしなければ、飼い主にとっても犬にとっても不幸ですが、犬からダメージを受けたとしてもソファが絶対的にダメになってしまうことはないということは念頭に置いてほしいと思います。
最終的には買い替えも検討したほうが良いかも?
とはいえ、長年にわたって犬からの攻撃を受け入れてしまうと、いずれソファのダメージは修理できる限界を越えてしまうでしょう。
ソファは表面だけでなく、内部の材料や構造も座り心地に関係しています。犬との生活によって、そういった重要な部分がダメージを受ける可能性はあります。
DIYや業者による修理で対応できる部分も多いのですが、場合によっては致命的なダメージによって、ソファとして使用し続けることが難しいこともあるでしょう。
その場合は、買い替えたほうが早いと思いきることも大切です。
買い替え時には犬がいることを考慮してソファを選ぼう
もし、これからソファを買い替える予定がある飼い主は、ソファを選定するにあたっては「犬がいることを考慮した選び方」を実践してください。
これからも長く犬とソファの共存を目指すなら、犬によるダメージを受けにくいソファにするべきです。
犬もソファも大事なパートナーです。どちらにも十分な配慮を忘れないようにしましょう。
中には、ペット対策を銘打って価格が高いソファもあるかもしれませんが、ソファは長く愛用いていくものですから、犬によって短くなりかねない寿命を延ばすことができるなら、決してコスパが悪いことにはなりません。
匠ソファからのアドバイス
カバーリングソファの場合、製品ごとに交換できるカバーのバリエーションは異なります。
カバー交換は模様替えにもなるというメリットがありますので、ペット対策でカバーリングソファを購入する際にはどのくらいカバーのバリエーションが用意されているのかも確認しておきましょう。
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【まとめ】犬が噛んでも問題ない丈夫なソファを探そう
犬がソファを噛むと、傷や汚れなどのダメージを受けるため、それを修理するには相応の手間と費用をかかります。
そんなことにならないための対策にはさまざまなアプローチがあります。最適な手段を模索して、犬に傷つけられないソファライフを手に入れましょう。
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