数ある家具の中でも特に、「購入後に失敗した」と思っている方が多いのがソファです。
一生の内に購入する回数が少ないソファは、購入することに慣れている方が非常に少ないのです。
その為、どのようにソファ選びをすれば良いのかが分からず、何となくで購入してしまい結果的に「失敗」に終わるケースがほとんど。
国産ソファブランド「匠ソファ」の専門店である匠ソファショップのソファコンシェルジュが「失敗しないソファの選び方」についてお教えします。
ソファ選びの失敗とは?
ソファでの失敗、実際にはどういうことが起きているのでしょうか?
『部屋に対して大き過ぎる(小さ過ぎる)』
『表面のレザーがすぐにボロボロになってしまった』
『クッションが2~3年でぺちゃんこに潰れてしまった』
『座り心地が悪い』
『本体のアームがすぐに壊れてしまった』
『色が部屋に合わない』
こような様々な失敗談、高額なソファで起こってしまうと悲しいですよね。
これらを未然に防ぐことが出来るのであれば、安心してソファ選びを楽しむことが出来ます。
①ソファのサイズの選び方
ソファのサイズは「生活動線を確保した上で最大サイズ」を購入するのがベストです。
「部屋がそんなに広くないからソファはなるべく小さく・・・」という声をよく耳にします。
でも置けるのなら小さなソファよりも大きなソファの方がゆったり座れて居心地が良いです。
ソファは座るだけでなく寝転んだりもしますからね。
生活動線としての通路や空間をきちんと確保出来ているのであれば、必要以上にソファを小さくするのは勿体無いです。
ソファのサイズを10cm縮めて空間を広く確保しても、その10cmの空間を上手く活かすことは難しいです。
ところが、ソファのサイズが10cm大きくなると、ソファに脚を上げられたり寝転びやすかったりと、大変多くのメリットを感じられます。
サイズ選びで不安な時には正確な寸法の記入してある「平面図」を持ってプロに意見を求めてみるのも良いですよ。
大き過ぎると思っていたサイズが実はベストなサイズだったり、思いもよらないレイアウト案が出て来たりします。
「生活動線を確保した上で最大サイズ」を心掛けてみて下さい。
★合わせて知りたい!搬入経路について
ソファサイズの選び方には、お部屋に対しての大きさ以外にも確認しなければいけない重要なポイントがあります。
それは「ソファを部屋まで運ぶことが出来るか」ということ。
「プロが設計した家(マンション)だから家具は入るように出来ているだろう」と思われるかもしれませんが、大型家具であるソファは部屋まで運べない場合もあるということを覚えておいてください。
よく搬入経路の「幅」を気にされる方が多いですが、それ以上に最も重要なのが「高さ」です。
搬入時にソファが通過する場所の「高さ(床から天井までだけでなく、通過する扉の高さも)」を事前に調べておくことが重要です。
戸建て2階以上への納品の場合には人力での吊り上げかクレーン車での吊り上げが可能かどうかも重要なポイントです。
➁座り心地の選び方
「座り心地」はソファ選びの中で最も重要で、そして最も難しいポイントです。
「硬い」「柔らかい」という単純なものではありません。
座った瞬間が良ければそれで良いというものでもありません。
座り心地は人それぞれの感覚や好みによっても変わるので、ここでは失敗しないために納得して選ぶためのポイントをお伝えします。
1⃣靴や上着を脱いで座る
ソファは室内でくつろぐものなので、座り心地を試す時にも同じような条件で試す必要があります。
靴や上着を脱ぐことでクッションの心地良さを感じられるのと同時に、身体が開放されるのでよりリラックスした状態になることも出来るのです。
2⃣くつろぎたい姿勢で
実際に家でソファに座るイメージをして頂いて、どのような姿勢でくつろぎたいのかを考えて座ります。
きちんと座ってくつろぎたいなら奥行きは浅めで背クッションは高めのソファが良いでしょう。
ソファに脚を上げて胡坐をかいたり寝転んだりと、ルーズにくつろぎたい方なら奥行きは深めで、背クッションだけでなく肘クッションも心地良いものを選んだ方が良いですね。
お店で座り心地を試すとなると、店員や他の人の目が気になって中々思うようにリラックスした座り方を試せない、と思われるかもしれませんが、ソファは高い買い物です。
ショップでは遠慮なくお好みの姿勢で座り心地をお試しください。
例:斜めに座って脚を組む、ソファの上に脚を上げて胡坐をかく、ベッドのように寝転んでくつろぐ等
3⃣なるべく長く座ってみる
気に入ったソファにはお好みの姿勢で最低でも20~30分は座るようにします。
座った瞬間は良くても、ソファは長く座ってくつろぐものです。
良いなと思っていた座り心地が、実は長く座ると「座り疲れ」をしてしまうソファだった、なんてことは避けたいですよね。
★座り心地の選び方のまとめ
気に入ったソファには「靴や上着を脱いだ状態で、自分がリラックスできる姿勢で長時間座ってみる」。
単調ではなく深みのある、しっとりと身体のラインにフィットして優しく体重を支えてくれる座り心地がオススメです。
③構造の選び方
長年ソファを使い続けたいのなら「構造」についても知っておくことが大事です。
どういった素材を使ってどんな構造で作られているのか、ファブリック(本革、合皮)はどういった仕様で取り付けてあるのか、分かる事は限られていますが出来るだけ確認した方が良いです。
1⃣クッション
クッションの中材には高密度ウレタンやフェザー(羽根)、綿などを使うのですが、それぞれに種類もあり、例えば一口に「高密度ウレタン」と言っても密度や硬度によっていくつも種類があります。
もちろん上質なものほど価格も高くなりますので、その分心地良さやヘタリにくさにも繋がってきます。
ショップで確認すれば教えてもらえると思いますので、「座り心地が良い理由」と「耐久性について」をしっかりと確認します。
耐久性についてはずばり「何年ぐらい持ちますか?」と聞いてしまっても良いですね。
2⃣本体
クッションのヘタリもそうですが、ソファの本体が数年で壊れるというケースもよくあります。
本体のアームには腰掛けても大丈夫なのか、子供が飛び跳ねたぐらいで本体底部が壊れたりしないか、ここもショップで確認してください。
3⃣ファブリック(本革、合皮)の仕様
ソファは長年使っていると表面は摩耗して傷んできます。
ソファのファブリックは「張り込み仕様」か「カバーリング仕様(着脱可能)」があるので、買おうとしているソファがどちらの仕様なのかは事前に確認しておいてください。
「汚れてもお手入れが楽だし本革よりもリーズナブルだから」と言って選ばれることの多い合皮(ビニールレザー)は基本的に張り込み仕様のものが多く、さらに薄いので破れたりしやすいのも特徴です。
表面がボロボロになってしまうと座るのもイヤになり張り替えを検討するのですが、費用は高額な為ソファごと買い替えになるケースも多いです。
長く使っていこうと思うのであれば着脱可能な「カバーリング仕様」のものが断然オススメです。
着せ替え出来てクリーニングも可能なカバーならソファを清潔に保つことも出来ますし、色で失敗しても後で着せ替えることも出来ますね。
④日本製か海外製か
どこで製造されているソファなのか。
商品クオリティにも直接関わってくる重要なポイントです。
北欧ブランドや日本のメーカーでも、実際に作っているのは中国やベトナムの工場、というソファはたくさんあります。
そうするのは価格を抑えることが大きな理由のひとつなのですが、安価に作ることを目的としているソファに高品質は求められません。
ヨーロッパやアメリカなどの有名ブランドからの輸入ソファについては、運送費や関税の影響で価格が現地の倍近くになって販売されているケースも多いです。
裏を返せば、有名ブランドと同価格帯のものであれば日本製の方が品質が高い場合が多く、さらに言うと価格は安くても日本製の方が高品質なソファという場合もあります。
⑤家具の販売会等の注意点
マンションやハウスメーカーが行っている家具の販売会等で安く良い品を・・・とお考えの方も多いと思いますがご注意ください。
割引に目を奪われてしまい冷静に判断出来てないことも多いようです。
「今回のイベントでは通常○%の割引ですが、本日ご契約頂けるのであればさらに○%!」という売り文句に焦りを感じて即決してしまうこともあると聞きます。
今日お伝えした上記の①~④の選び方を全部飛ばしてしまう危険性もあるので、購入後の失敗のリスクは非常に高くなります。
いくらリーズナブルに購入出来たお得感があったとしても、座り心地が良くなかったりすぐにヘタってしまうソファだったら結果的には”損”をしていることになるのです。
また、ショップへ足を運んでご注文されたわけではないので、ご購入後のお困りごと等に関するご相談の際、どこに連絡すれば良いか分からず困ったという声も多く耳にします。
大幅な割引だけに目を眩ませるのではなく、品質を見極める冷静な目でソファを選ぶようにしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ソファ選びのポイントを5つ紹介しましたが、これらは全てが重要なポイントです。
ありがちなのが、「○デザイン、◎サイズ、◎価格、△座り心地、△耐久性(アフターサービス)」で選んでしまって失敗するケース。
最初は座り心地の良いソファが良いと思っていても、ソファ選びのポイントが分からずに手探りで選んでいくと最終的にこのパターンに陥りやすくなります。
ソファは皆さんの理想や憧れが詰まった素敵な家具です。
①~⑤の「失敗しないソファの選び方」を踏まえて、是非ソファ選びを楽しんでくださいね。